アマゾンに出店する中国事業者による価格破壊 その2
前回は、オーディオ製品を破格の値段で提供するLepyという事業者を紹介しました。今回、取り上げるのは、ラジコン製品における価格破壊です。
大型建機のラジコンに特化
ラジコンのオモチャは、ピンからキリまであり、価格帯も様々です。しかしながら、全長が25センチを超えるダンプトラックのラジコンが5000円と聞くと、驚くのではないでしょうか。
低価格のラジコンを製造・販売しているのは、中国の広東省に本拠を置くHUINA玩具というメーカーです。この企業の特徴は、鉱山用の大型ダンプトラック、ホイールローダー、ブルドーザー、ショベルカーといった建機のラジコンに特化していることで、どの製品も5000円から1万円程度の低価格で販売されています(アマゾンのサイト)。
こうした商品は実際に触ってみなければ分からないので、ダンプトラックを購入してみました。
全長は約28センチ、全幅は15センチ、全高は15センチとなっており、手にとってみると、かなりの大きさです。車体の多くはプラスチックですが、一部には金属も使われており、それなりの質感があります。
駆動は内蔵したバッテリーを用い、USBを使って充電する仕組みになっています。USBコネクタの付いた充電ケーブルが付属しており、充電が完了するとLEDの点滅が終了します。送信機の方は単3電池でした。
シンプルだが子供のオモチャとしては十分な完成度
動作は左右別々のモーターで行います。送信機にある左右両方のレバーを前に倒せば前進で、両方を後ろに倒すと後進になります。いわゆるハンドル操作はなく、右に行きたければ、左のレバーだけを前に倒し(左側の車輪だけが回転)、左に行きたければ右のレバーを前に倒す必要があります(右側の車輪だけが回転)。
これは、戦車などに用いられる無限軌道(いわゆるキャタピラー)と同じ方式であり、ダンプやホイールローダーといった車輪のモデルも、ブルドーザーなど無限軌道のモデルも基本的に同じ動作となっています。左右のレバーをそれぞれ逆に倒せば、その場でグルグルと車両が回転する、いわゆる超信地旋回の状態となります。
またダンプの場合には荷台の上げ下げも可能となっており、積載した土砂を落とすことができます。ホイールローダーやジョベルカーは、ショベルなどの上げ下げに対応しています。
速度の調節はできず、単純な動作のみですが、子供用のオモチャとしては十分な完成度といってよいでしょう。これが5000円から1万円で購入できるというのは、かなりのインパクトです。
耐久性がどの程度があるのかは不明なので、短期間での使い捨てとなる可能性はありますが、それでもコスト・パフォーマンスは十分でしょう。