国内の仮想通貨取引所「Zaif(ザイフ)」は2018年2月16日、女優の剛力彩芽さんを起用したテレビCMを開始しました。剛力さんは大手芸能事務所オスカープロモーションの看板女優です。
コインチェックの仮想通貨流出事故によって取引が下火になるとの見方もありましたが、むしろ他の取引所がコインチェックの受け皿になっているようです。
仮想通貨取引所による大々的なテレビCMは、昨年5月にビットフライヤーが初めて実施しました。同社のキャラクターに起用されたのは研音の成海璃子さんですが、鳴海さんもNTTドコモや三菱東京UFJ銀行など、いわゆるナショナルクライアントに起用される看板女優の一人です。
580億円の仮想通貨が外部に流出したコインチェックは、事故をきっかけにCM放送を中止していますが、お笑いタレントの出川哲朗さんを起用していましたし、DMMビットコインのCMにはタレントのローラさんが出演するなど、いずれも著名な芸能人ばかりです。
今回ザイフのCMに起用された剛力さんは、米倉涼子さん、上戸彩さん、菊川怜さん、武井咲さんなどが所属する大手芸能事務所オスカープロモーションの看板女優として知られています。
今回の剛力さんの起用は以前から決まっていた可能性が高いですが、このタイミングで大々的にCMを流すことは、ザイフ側にとってもオスカー側にとっても、それなりの覚悟が必要でしょう。
コインチェックからは一定数の顧客が流出している可能性が高いですが、ライバルの取引所がこれだけのCMを打てるということは、少なくともビジネス的には有望であると両社が認識していることになります。
事業者今回の流出事件をきっかけに、仮想通貨取引が下火になるとの見方もありましたが、少なくとも表面的には、ザイフなど他の取引所に資金を移し、再びチャンスを狙っている可能性が高そうです。
ビットコインの価格は昨年末には220万円を超えていましたが、その後急落し、一時は60万円台まで下落しました。ところがその後、価格は持ち直し、現在は再び100万円前後で取引されています。
また、ネット証券などを運営するSBIホールディングスが2018年度中に仮想通貨を使った資金調達であるICO(イニシャル・コイン・オファーリング)の実施を予定するなど、仮想通貨関連の大型プロジェクトも目白押しです。
ビットコインをはじめとする仮想通貨そのものの是非や、適正価格などについては、まだしっかりとしたコンセンサスが得られている状況ではありませんが、ビジネスという面では、仮想通貨の存在を大前提とした動きが進んでいるようです。