20年ぶりに紙幣のデザインを刷新。これが最後になるとの声も

 20年ぶりに紙幣のデザインが刷新されることになりました。一方で政府は急ピッチでキャッシュレス化を進めており、一部からは今回の紙幣刷新が最後になるとの声も出ているようです。

デザイン刷新は機械的に行われる

 政府は偽造防止などの観点から一定期間(約20年)ごとに紙幣デザインの刷新を行っています。今回の紙幣刷新では、天皇陛下の生前退位に伴う新元号選定のタイミングと重なったことから、いろいろと話題になっていますが、デザインの刷新は基本的に機械的に行われます。

 10年前に津田塾大学に対して、創立者である津田梅子の肖像画の提供について打診があったとの報道もありますから、かなり前から準備を進めていたことがわかります。海外でも紙幣のデザインが一定期間ごとに変わるのは珍しくありません。

 一方で政府は紙幣の流通をなくすというキャッシュレス化の政策も同時並行で進めています。2025年までにキャッシュレス決裁の比率を40%まで高めるという目標もありますから、今後、現金の流通が激減するのは間違いないでしょう。そうなってくると、今回の紙幣刷新は実質的に最後の紙幣となる可能性もあるわけです。

 クレジットカードが普及している欧米各国では、もはや高額紙幣を見かけることはほとんどありません。最近では少額決済もQRコードなどの電子マネーで行われるようになりましたから、事実上、紙幣や硬貨を使うニーズがなくなってくるわけです。

newbanknote

キャッシュレスが必ずしもリスクが高いとは限らない

 キャッシュレス決裁には様々な誤解があります。欧米でキャッシュレス決裁が普及したのは、窃盗などの犯罪が多いからだという話がまことしやかに語られていますが、これは事実ではありません。あくまで決裁や管理が便利であることが最大の理由です。

 またキャッシュレスは災害に弱いという話も、必ずしもそうとは限りません。

 確かにキャッシュレス決済は停電になると使えませんが、災害の規模がもっと大きかった場合には、現金決裁のリスクも大きくなります。道路が寸断されるなどの理由で、現金輸送網が機能しなくなると、広範囲で紙幣そのものが手に入らない、お釣りを用意できない、という状況に陥ります。

 電子決済にもいろいろありますが、スマホやタブレットをベースにしたものであれば、最小限の電源とモバイル通信環境さえあれば決裁ができます。暫定的な形であれば通信網の復旧は早い可能性がありますから、大規模災害の時には、意外と効果を発揮する可能性もあります。安易に電子マネーは危険だと決めつけない方がよいでしょう。

 ATM網は確かに便利ですが、これは銀行が年間2兆円ものコストをかけて維持している一種の贅沢品です。また店舗において現金を用意しておくための人件費は莫大な額となっており、人手不足に拍車をかけています。今回の新紙幣が最後になる可能性はやはり高そうです。