2018年7~9月期GDP、今年に入って2回目のマイナス成長

 内閣府は2018年11月14日、2018年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値を発表しました。物価の影響を除いた実質で0.3%のマイナス、年率換算にすると1.2%となりました。マイナス成長は今年に入って2回目です。

主要項目がすべてマイナス

 7~9月期は鉱工業生産の不振が続いていましたから、多くの専門家がマイナス成長を予想していました。結果は個人消費が0.1%減、設備投資が0.2%減、輸出が1.8%減と主要項目すべてがマイナスとなり、これがGDPの数値を押し下げました。住宅は0.6%のプラスでしたが、全体への寄与度はごくわずかです。

 ここ数年、日本経済については消費の弱さがずっと指摘されていました。消費が弱い最大の原因は賃金が上がらないことと、将来の対する不安要素が多く、消費者が支出を控えているからです。

 こうした中で、唯一の原動力となってきたのが輸出です。

 米国経済はこれまで「絶好調」という状況が続いてきましたから、日本メーカーはこぞって米国市場に進出。モノを売りまくりました。
 製造業の業績が上向くと、関連企業の賃金が上がり、国内の消費も増えるという図式です。最近は現地生産が増えたことから、その効果も薄くなっていますが、それでも製造業に頼っていたことは間違いありません。

 ところがこうした状況にブレーキをかけたのがトランプ大統領です。トランプ大統領は中国と貿易戦争を開始、徐々にその影響が日本の輸出にも及んでいます。

92c4b061a61088b1_s

貿易戦争の長期化は日本にとって最悪の事態

 今回、輸出が1.8%と大幅な落ち込みとなりましたが、これは主力の自動車が伸び悩んだことが原因です。中国は米国との貿易戦争に加えて国内経済の失速というダブルパンチとなっており、中国向けの輸出も停滞しています。

 政府では相次ぐ自然災害で生産が遅れたことが原因としていますが、そうではないでしょう。

 もし来期の輸出も停滞するようであれば、米中貿易戦争の悪影響についてより深刻に捉える必要がありそうです。中間選挙で下院を失ったトランプ政権は、次の大統領選を見据え、より保守的になっていると報道されています。もしトランプ政権の保守化が続けば、米中合意は遠のき、輸出の停滞も長期化することになります。

 本来であれば日本は、米国経済が好調なうちに完全な内需型経済に転換しておくべきでしたが、多くの国民は現状維持を望んでおり、構造転換はほとんど進んでいません。輸出に頼り切っている中での米中貿易戦争ですから、日本への影響は極めて大きいとみてよいでしょう。