体育会系はお金持ちになりにくい?

お金持ちを科学する 第30回

 このところスポーツ組織における理不尽なマネジメントが次々に明るみに出ています。企業の現場でも、いわゆる体育会的な組織運営が否定されつつある状況といってよいでしょう。お金儲けという行為を科学的に見た場合、こうした体育会的な人材や組織のマネジメント手法について、どう考えればよいのでしょうか。

昭和の時代まではビジネスが単純だった

 いわゆる体育会系の人が企業の就職に有利であるというのは以前からよく知られてきた事実です。体育会系の人は、競争心が強く、厳しい上下関係に慣れていますから、組織の一員としてはよい適性を持っているわけです。

 しかしながら、これはあくまでも従業員という、会社に雇用される立場として優秀であるということを示しているに過ぎません。

 昭和の時代まではビジネスが単純でしたら、競争相手よりもコストを安くする、競争相手よりもたくさん販売するなど、シンプルな競争に勝てれば業績が伸びていきました。しかし、社会の成熟化が進んだ現代の競争はこのような単純な姿をしているわけではありません。

 これまでにないニーズを掘り起こしたり、ニッチなビジネスを開拓するといった工夫をしないと競争に勝てない時代に入っています。

 いわゆる体育会的な競争というのは、あらかじめルールと対戦相手が決まっていますから、非常に分かりやすい仕組みです。要するに「アイツに負けたくない」でたいていの問題は解決するわけです。しかし現代の競争は不透明で、下手をすると誰と戦っているのかも分かりにくかったりします。

 このような時代において、いわゆるコテコテの体育会系の人に適性がないのは明らかでしょう。

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「強さ」の意味合いが変わってきた

 一連の時代の変化を受けて、企業の組織も大きく変わっていますが、一部の人は変化についていくことができません。こうした不一致があらゆるところで噴出しているのが現状ということになります。

 しかしながら、新しい時代のビジネスが競争とは無縁なのかというとそんなことはありません。機会が拡大している分だけ、以前の時代と比較して競争環境はさらに過酷になっています。根性論や無理難題を下に押しつける体育会系的なマネジメント手法が通用した時代は、非常に牧歌的だったと言い換えることもできます。
 
 スポーツの世界においても、いわゆる体育会系的な手法では結果を出せない時代に入っていますから、「強さ」というものの意味合いが変わったと考えるべきでしょう。

 しかしなら、時代がどうあれ、メンタルが弱い状態で成功できた人はほとんどいません。本質的な意味で精神的な強さがないと成功できないというのは、今も昔も変わらない本質的な法則です。

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