GDPは消費、投資、政府支出の3つで構成される

加谷珪一の超カンタン経済学 第5回
【GDPを構成する3要素】

 前回までは、消費と投資の違いや、人は稼いだお金の一定割合を消費し、残りを貯蓄するという話をしてきました。貯蓄されたお金は、金融機関を通じて企業などに融資され、そのお金は設備投資に充当されることになります。

個人と企業に加えて政府もお金を支出している

 これまでは、経済の中でお金を使う立場として、家計と企業の2つしか想定していませんでしたが、もうひとつ、巨額のお金を使う存在があります。それは政府です。

 政府は所得を得た国民から税金という形でお金を徴収して、それを政府支出という形で消費もしくは投資します。政府は家計に何かを売ってお金を得ているわけではなく、所得から徴収した税金を原資に支出しているだけですから、家計とも企業とも異なります。

 本来なら、政府は経済全体の中では中間的な立場であり、無視してもよい存在なのですが、動かすお金があまりにも巨額であるため、政府の支出は需要と供給に大きな影響を与えます。このため、GDPを計算する時には政府支出も考慮に入れることになっています。

 ここで家計と企業、そして政府という3つの主体が出揃いました。家計は主に消費を行い、企業は家計が貯蓄したお金を使って設備投資を行います。そして政府は家計から徴収した税金を使って支出します。

Copyright(C)Keiichi Kaya

Copyright(C)Keiichi Kaya

GDPは消費と投資と政府支出で構成される

 GPDはそれぞれの主体がどのくらいお金を使ったのかという形で計算されることになります。以下のGDPの計算式は非常に重要ですからしっかり覚えておいてください。

 GDP = 消費(C)+ 投資( I )+ 政府支出(G)

 国内における消費と投資、そして政府支出をすべて足し上げたものがGDPということになります。そして、家計が消費として支出したお金、企業が投資として支出したお金、政府が支出したお金は、最終的には何らかの形で(多くは給料という形になりますが)家計に戻ってきます。

 家計は稼いだお金の中から、一部を貯金して残りを消費します。そして政府は家計から税金を取って、やはり前年と同じように支出を行います。

 つまり、経済というのは、家計を起点にして、お金がグルグルと循環していることになります。家計という存在は、お金を支出する側でもありますが、所得という形でお金を受け取る側もあるわけです。わたしたちは消費者でもあり労働者でもあるわけですが、経済のモデルもまったく同じになります。

 消費者として家計が支出したお金は、いろいろなルートを経由して、また家計に戻ってきます。この循環が活発になれば、世の中には多くのモノやサービスが溢れ、人々は豊かな生活を送ることができます。これが経済を豊かにするという意味になります。

加谷珪一の超カンタン経済学もくじ