お金を払う人と、お金を受け取る人は同じ

加谷珪一の超カンタン経済学 第2回
【家計の所得と支出】

 前回は消費と投資の違いについて解説しました。今回は消費したお金と、投資したお金が世の中でどう回っていくのかについて説明したいと思います。実は、この話はGDP(国内総生産)に関する本質的な部分になりますから、とても重要です。

大きな視点で見れば、お金を払う人と受け取る人は同じ

 お金の使い方には消費と投資の2種類があります。今、メリットを得るためにお金を使うことを消費と呼び、今後の生産活動のためにお金を使うことを投資と呼んでいます。消費は主に家計(一般的な消費者のことを経済学では家計と呼びます)が、投資は主に企業が実施します。

 消費として使われたお金も、投資として使われたお金も最終的には、何らかの形で消費者に戻ってきます。もっとも典型的なパターンは自分が働いている会社から受け取る給料でしょう。

 もちろん、消費者は自分が勤務する会社の製品やサービスを買っているわけではありませんが、経済全体で見た場合、消費者が使ったお金は、色々な企業を経由して、結局は自分自身が受け取っています。つまりお金は家計から企業にそしてまた家計へとグルグル回っているわけです。

 つまりお金を使った人と、お金を受け取った人は、最終的には同じ人たちになります。ここがマクロ経済を理解するための基本となります。お金を支出して、またお金を受け取るという、このお金の循環がどれだけ活発なのかによって景気の良い悪いが決まるのです。

Copyright(C)Keiichi Kaya

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いかに循環を活発にするのかが大事

 現実の社会は非常に複雑ですから、お金が循環する経路は無数にあります。前回は支出には消費と投資の2種類があると解説しましたが、消費に使うお金が多いのか、投資に使うお金が多いのかによっても、お金が循環する経路は変ります。

 また、社会の仕組みと、お金が循環する経路がうまくかみ合っていないと、お金はスムーズに回りません。社会は日々刻々と変っていきますから、常に景気をよくしておくためには、最適なお金の循環を維持する必要があるわけです。

 政府が景気対策などを実施するのは、お金の循環をより活発にするためです。逆に言えば、お金の回り方がどうなっているのかを知ることができれば、もっとも効果の高い経済政策を考えることができます。

 マクロ経済というのは、お金がどう循環しているのかを分析するためのツールであり、景気対策というのは、この循環を活発にするためのものです。

 お金をうまく循環させることが大事であるという概念は、常に頭の中に入れておいてください。

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