1月の消費者物価指数は総合指数が何と1.4%もの上昇

 1月に入って物価が急上昇しています。直接の原因は野菜の高騰ですが、こうした特殊要因だけが原因とは限りません。世間はデフレモード一色ですが、そろそろインフレを警戒する必要が出てきたかもしれません。

日本経済弱体化のサイン?

 総務省が発表した1月の消費者物価指数は驚くべき数値でした。代表的な指数である「生鮮食品を除く総合(コア指数)」は前年同月比プラス0.9%と横ばいでしたが、生鮮食品を含んだ総合指数は1.4%と0.4ポイントも上昇していたのです。

 日銀の量的緩和策は目立った効果を上げておらず、政府が掲げた2%の物価目標もまだ実現できていません。しかし、2016年半ばを境に物価は上昇に転じており、足元ではジワジワと物価が上がっています。

 今回、総合指数が一気に0.4ポイントも跳ね上がったのは、野菜の価格が高騰したことが直接的な原因です。野菜の価格高騰によって総合指数が上昇したのは特殊要因と認識されているようで、メディアなどではあまり取り上げられていません。しかしながら筆者は必ずしもそうではないと考えています。

 このところ野菜の価格が上がっているのは事実であり、主な原因は天候不順です。確かにその通りなのですが、消費量の絶対値が減ったことで、供給体制が脆弱になった可能性は否定できません。市場が脆弱になると価格の上下変動(ボラティリティ)が上昇するというのは、マーケットの世界では常識です。

 野菜の消費量が減っているのであれば、物価全体への影響も小さいはずですが、日本はエンゲル係数が上昇しており、世帯支出における食費の割合はむしろ上昇しています。本来、野菜の価格高騰が、物価全体にこれほどの影響を与えるというのは少々不自然ですが、弱体化した今の日本経済の状況では、これもあり得ることなのかもしれません。

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不景気なのにインフレが進む可能性も

 野菜の高騰については、じきに落ち着くと思われますが、一方で生鮮食品を除いた物価指数もジワジワと上昇しています。また人手不足が深刻化していることから、アルバイトやパートの時給も最近ではかなり上がってきました。景気がよくないので、物価は上がらないというイメージが強いのですが、足元では物価上昇要因が目白押しなのです。

 消費が弱いので、事業者はなかなか値上げに踏み切れませんが、内容量を減らすといった事実上の値上げは、すでに広範囲に実施されています。

 今回の総合指数の高騰だけで断言することはできないものの、日本経済は、そろそろインフレを警戒してもよいフェーズに入っている可能性があります。

 残念なことですが、景気拡大に伴う物価上昇ではありませんから、同じインフレでも、どちらかというとスタグフレーション(不況下のインフレ)に近い形になるでしょう。

 景気が拡大しない中で物価が上昇すると、当然ですが、庶民の生活はより苦しくなります。特に年金生活者などは要注意でしょう。