ハッキングされたコインチェックが、顧客への補償を表明したことに驚きの声

 仮想通貨取引所のコインチェックがハッキングされるという事件が発生しましたが、同社が顧客に返金する方針を示したことに驚きの声が上がっています。

 仮想通貨取引所大手のコインチェックは2018年1月26日夜、記者会見を行い、外部からの不正アクセスによって約580億円分(検知した時点でのレート)の仮想通貨が外部に流出したと発表しました。
 不正送金されたのはNEM(ネム)という通貨ですが、同社は翌々日、被害に遭った顧客に対して、日本円で返金する方針を明らかにしました。時期や手続きの方法については未定とのことですが、多くの人が驚いたのは、返済原資が自己資金という部分です。

 コインチェックは2012年に設立され、2014年にサービスを開始したばかりのベンチャー企業ですが、すでにこの金額を払えるだけの自己資金を有していることになります。

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 同社は非上場企業で業績を公開していませんので詳細は不明ですが、同社の収益源は顧客から徴収する各種手数料と考えられます。相場の高騰でかなりの手数料収入を得ていた可能性は高いでしょう。
 また、流動性の確保のため一定数量の仮想通貨を自己保有していた場合には、相場の上昇によってかなりの含み益が得られていたかもしれません。

 あくまで一般論ですが、企業が金銭を盗まれた場合には、会計上、損失処理することができます。ただし税務上は、保険との関係や回収見通しなどで見解が分かれる可能性があり、完全に損金処理ができるのかは何ともいえません。
 しかしながら、同社が自己資金による補償を打ち出したということは、少なくとも被害額以上の金額を自身で捻出できるということであり、あらためて取引所というものが儲かるビジネスであることを印象付ける結果となりました。

 今回の事件が発覚した直後は、仮想通貨の価格が大幅に下落すると見る向きもありましたが、思ったほど価格は下落していません。同社が補償の方針を明らかにしたことが下支えになった可能性は高いでしょう。