IMFが最新の2018年世界経済見通しを発表

 IMF(国際通貨基金)は2018年1月22日、最新の世界経済見通し(改定値)を公表しました。地味ですが、重要な情報ですから、ビジネスや投資に携わっている人は要チェックです。

 IMFでは毎年4月と10月に世界経済の見通しを発表していますが、7月と1月に見通しの改定値を出します。今回の発表は2017年10月における見通しの改定値ということになります。

 2018年における世界経済の成長率予測は、物価変動の影響を除いた実質でプラス3.9%となり、前回の見通しから0.2%上方修正されました。上方修正された最大の理由は米国の景気が非常に好調であることに加え、欧州経済の回復が顕著だからです。米国では今後10年間で1.5兆ドル(約165兆円)というレーガン政権以来の大型減税が実施されます。ただでさえ景気がよいところに、大規模な減税ということになると、景気が加速するのは当然といえるでしょう。

 米国の成長率はプラス2.7%(0.4ポイント上方修正)、欧州(ユーロ圏)はドイツが牽引しプラス2.2%(0.3ポイント上方修正)、日本はプラス1.2%(0.5ポイント上方修正)となりました。中国も堅調でプラス6.6%となり、0.1ポイントの上方修正でした。

 日本の製造業は主に米国市場で稼いでいますから、米国の好景気に牽引される形で景気が拡大しています。しかしながら、現在の景気拡大は米国主導のものですし、製造業は地産地消が進んでいますから、かつてのようには国内消費は拡大しません。

 経済成長率の数字は無味乾燥に見えますが、ビジネスや投資においては非常に重要な情報です。米国の成長率が2.7%ということは、米国の企業は黙っていても年間2.7%以上の規模拡大が見込めることを意味しています。日本は1.2%ですから、日本と米国には極めて大きな基礎体力の差があるわけです。

 このところ株高が続いており、株式投資にチャレンジする人も増えているようですが、もし日本株の上昇に賭けるということであれば、景気の本家本元である米国株式に投資するという選択肢も検討した方がよいでしょう。

 もっとも、現在の好景気は、循環サイクル上、2019年頃に一旦踊り場に差し掛かる可能性があります。長期的には米国はまだ成長余地があると筆者は考えていますが、短期的な株価動向という意味では、今年後半以降は要注意かもしれません。