知っているようで知らない外貨投資の話 第8回
前回は、外貨預金のリアルタイムレート取引など少し高度な話題を取り上げていましたが、今回は基本的な話に戻ります。そもそも外貨預金を始めるにはどのような手続きが必要で、どういった通貨に投資できるのでしょうか。
[box class=”blue_box” title=”問1″]外貨預金を始めるには、円預金の口座しか持っていない場合は、新たに外貨用の口座を開かなければならない。
(答え 〇)[/box]
外貨預金を始めるには、単に銀行の総合口座があるだけでは足りず、外貨預金専用の口座も開設しなければなりません。したがって問1の答えは〇です。ただし、ネット専業銀行については一度の口座開設ですべてのサービスを利用できるケースがほどんどです。
[box class=”blue_box” title=”問2″]外貨預金の取扱通貨はどの銀行も米ドル、ユーロ、ポンド、NZドル、豪ドル、スイスフランの6種類である。
(答え ×)[/box]
外貨預金の通貨として思い浮かぶのは、米ドル、ユーロ、NZドル、豪ドル、ポンド、スイスフランなどでしょう。しかし取り扱い通貨は銀行により異なります。
ネットの外貨預金を例に挙げると、メガバンクはこの6種類ですが、ネット専業銀行であればこれらに加えて、香港ドルや南アランドなど、主流通貨以外のものを扱うところもあります。 したがって問2の答えは×になります。
メジャー通貨とマイナー通貨
外貨預金口座には、円預金と同じように普通預金、定期預金があります。普通預金は1円から預金できますが、定期預金は1万円、10万円など最低預入金額が設定されているケースが大半です。外貨の場合にも基本的に同じと思って差し支えありません。
つまり、外貨で定期預金するには、ある程度まとまった資金が必要ということになります(ネット専業銀行の中には、10通貨単位からなど少額でも可能なところもあります)。さらに言えば、外貨預金の場合、普通預金でも1000円以上などと下限が設定されているところもありますから注意してください。
先ほど、米ドルやユーロなどメジャーな通貨以外でも外貨預金は可能という話をしました。さらに言えば窓口に行って預金をするのであれば、店頭で相場を公表している通貨であればさらにマイナーな通貨にも投資できます。
しかしながら、特に理由がなければ、あまり馴染みのない通貨には投資しない方が無難でしょう。主要通貨以外は為替手数料が高く、特にマイナー通貨の場合、10%~20%の手数料がかかることもあります。また、対象国の経済情報も限定的となり、相場の予想が難しくなります。
外貨預金をする場合には、なぜ外貨で預金する必要があるのか、基本に立ち返ることが大事です。日本円だけで資産を保有することへのリスクヘッジといった目的であれば、むしろメジャー通貨にだけ投資する方が合理的でしょう。