経済評論家 加谷珪一が分かりやすく経済について解説します

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仮想通貨にも応用できた相場格言「半値八掛け二割」

加谷珪一の投資教室 第24回

 前回はテクニカル分析のひとつである日柄の分析について解説しました。株価の動きは時間に大きく依存していますが、当然のことながら価格そのものにも強く影響を受けます。特に投資経験の浅い投資家は、株価そのもので相場を判断する傾向が強いですから、価格水準の分析も重要です。

ビットコインだからといって何かが変るわけではない

 値幅についてよく知られている相場格言に「半値八掛け二割引」というものがあります。これは株価がピークから下落に転じた時、どのくらいまで下がるものなのか、ゴロ合わせ的に語られたものです(もともとは商売における値引きの目安といわれています)。

 株価が半額になって、そこから8掛けになり、さらに2割引ということですから、最終的に株価は、0.5×0.8×0.8=0.32になります。つまり3分の1になるまでは、買いを入れてはいけないという意味です。言い換えれば、半分程度の下落ではまだまだ警戒が必要ということにもなるでしょう。

 この格言に科学的根拠はありませんが、ある程度の法則性は見いだすことができます。

 2017年の年末から2018年の年初にかけて、仮想通貨であるビットコインの価格が暴落しました。ビットコインは株式投資と異なり、極めて投機性の高い商品ですが、それでも人が投資しているのは同じですから、値動きに本質的な違いは生じません。

 2017年12月に220万円を突破していたビットコイン価格は、そこから急激に下落し、最終的には2月の初旬に70万円前後まで値下がりしたところで反転しました。220万円の3分の1は約70万円ですから、おおよそ合っていることになります。

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人がやっていることなど、いつの時代も同じ

 世間では「前例のない暴落」など大騒ぎでしたが、投資の経験が豊富な人なら、特に驚くような話ではなく、底入れもある程度は予想できたはずです。

 最終的に株価は値幅と日柄の両方が十分に消化されてはじめて反転することができます。値段が十分に下がっても、日数が経過していない状態の場合、さらに下落する可能性が高いでしょう。一方、値段があまり下がっていなくても、日数が十分に経過しているのであれば、それで調整は終わりになる可能性もあるわけです。

 基本的に日柄が足りない場合には、同じ方向性が継続し、日柄を十分に確保している場合には逆方向になる可能性が高いと考えてよいでしょう。つまり、日柄と値幅の両方が株価に影響を与えますが、日柄の方がより強い影響を与えているということになります。

 似たような相場格言に「まだはもうなり、もうはまだなり」というのがあります。もう大丈夫だろうと思っても、まだまだ下落する、あるいは、まだ上がらないだろうと思っていると、タイミングを逃してしまうという意味です。

 この格言もよく使われていますが、多用されるのは、時間の概念がより重要であると多くの人が考えているからにほかなりません。

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