前回はリスクを取るためには、相応のリターンが必要という話をしました。
お店を出店するにあたり、家賃の値段が高すぎるという前回のケースでは、普通の経済メカニズムに沿ったビジネスモデルで利益を出すことは困難です。
このような案件ではリスクとリターンが比例していな いわけですから、儲かるどころか危険がいっぱいということになります。別な目的があれば話は別ですが、このようなところで無理にリスクを取ってはいけません。
このほか、相手方に一方的に有利な契約になっていたり、ビジネスの相手として信用できない人と組んでしまうなど、自分が取ったリスクに対して十分な期待収益が得られないというケースは案外多いのです。
まずは、自分が取り組もうとしている案件が、こういった非合理的な状況になっていないのかを考えるのが先決です。
この条件をクリアしてはじめて、本当の意味で、そのチャンスには賭けるべき価値があるのか判断するというフェーズに入ることができます。
その点で、株式投資というのは、基本的にリスクとリターンが比例する関係にあります。株価の上下のブレ幅が大きい銘柄ほど、期待収益は高くなっていることが多く、基本的にはリスクを取った分だけ、相応のリターンを得ることができるようになっています。
株式市場に上場するためには、一定の基準をクリアする必要がありますし、株式市場には数多くの投資家が参加していることが大きく影響していると考えられます。
株式投資は自分で投資先をコントールすることができませんが、リスクとリターンの関係という意味では、合理的な投資対象といってよいでしょう。
次回は具体的な例をあげて、リスクの取り方について解説していきます。