加谷珪一の年金教室 第4回
前回は、公的年金の受給資格を得るには10年以上の納付期間が必要となることや、満額をもらうには40年間の納付が必要という話をしました。
未納になっている期間があるとその分だけ損してしまいますから、自身の納付状況を確認することはとても大事なことです。納付状況について把握したり、自分が年金をいくらもらえる見込みなのかを確認するためには、「ねんきんネット」にアクセスするのが一番です。
これまでの支払い状況を一覧できる
「ねんきんネット」は自分の基礎年金番号があればサイトにユーザー登録できます(定期的に受け取っている「ねんきん定期便」に記載されているアクセスコードを使えば登録時に住所などの入力を省くことが可能)。
これまでの納付状況を知りたい場合には「年金記録の一覧表示」のページに行きます。ここでは20歳から現時点まで、どこに勤務し、いくらの保険料を払ったのかについて一覧表示されます。もし空白期間が存在する場合には、未納と表示されますから、すぐに分かるはずです。
前回も説明したように、未納期間があるとその分だけ、年金が減額されますから、しっかり確認しておいた方がよいでしょう。
思っていたよりもらえる年金額が少なかったというケースの大半は、何らかの理由で未加入や未納の期間が生じたことが原因です。まずは「ねんきんネット」で自身の納付状況を確認してください。
40歳になったら必ず年金の見込額の確認を!
「ねんきんネット」には、自分がいくら年金がもらえるのか見込額を表示できるページがありますから、ここも必ずチェックしておきましょう。
「年金見込額試算」のページに行くと、いくつかのパターンで年金額の試算が可能となっています。最も簡単なのは今の状況が継続したと仮定した場合の試算です。「かんたん試算」というボタンをクリックすると、概算の年金額を知ることができます。
今後、転職や昇給で年収がアップする可能性がある人や、逆に年収の低下が懸念される人は、もう少し詳しい試算ができるページがありますからそちらを利用した方がよいでしょう。今後の予定について質問に答える形で入力し、見込額を細かく算定することができます。
年金は先の話で、あまり実感が湧きませんから、こうした確認をしていない人も多いと思います。多くの人が、年金をもらう年齢が近づいてから急に気になりだして、思ったより年金額が安いことを知って途方に暮れてしまいます。
早いうちから自身の年金額の見込みを知っていれば、対応策を考えることも可能となります。今後の年収が読みにくい20代や30代はともかくとして、40代以降の人は、現時点での見込額についてしっかり確認しておいた方がよいでしょう。