いよいよ本格的に景気が悪くなる?

 2019年1月の景気動向指数における基調判断が引き下げられたことで「戦後最長の景気拡大局面」が幻となる可能性が出てきました。景気の現状はどうなっているのでしょうか。

基調判断が下方修正された

 内閣府では毎月、景気の状況を示す景気動向指数を取りまとめています。景気動向指数はさまざまな経済指標のデータを組み合わせて算出されます。

 景気動向指数には、景気に先行する指数と、ほぼ一致して動く指数、景気に遅れて動く遅行指数の3種類がありますが、一般的な景気判断には、景気に一致する指数(一致指数)が用いられます。どのような条件を満たすと判断が変わるのかというのはルール化されており、ほぼ機械的に決定されると思ってください。

 今回は「足踏みを示している」から「下方への局面変化を示している」という形に判断が下方修正されましたが、最終的な景気判断は専門家の議論を経て決定されることになります。過去にもギリギリの状況で景気拡大が継続したケースがありますから、今の時点で景気が悪化したと断言することはできません。

 しかしながら、中国の景気は2018年後半から失速しており、日本企業の中国向け輸出は大幅に減少しています。米国と中国の貿易戦争が長引けば、米国の景気もいつまで持つのか分かりませんから、景気の先行きに不透明感が高まっているのは間違いないでしょう。

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日本にとってはダブルパンチ

 もしこのタイミングで世界経済が足踏みすると、日本にとっては最悪となります。米国は巨大な内需経済がありますから、貿易が多少落ち込んでも大きな影響はありません。中国は米国ほどではありませんが、それでも14億の人口があります。製造業が低迷しても、国内の基礎消費が大きく落ち込むとは考えられません。

 一方、日本は過去20年にわたってずっと消費が弱いという状態が続いてきましたが、米国を中心に世界が好景気だったことに支えられ、何とか輸出で経済を成り立たせてきました。もし、ここで世界経済が失速すると、消費が弱いところに、頼みの綱の輸出が減るので、日本経済にとってはダブルパンチとなってしまいます。

 しかも日本は今年の10月に消費増税を控えています。

 一部では消費税の増税が消費を冷やしているとの指摘がありますが、それは正しい認識ではありません。理屈上、税というのは徴収した政府がそれを支出しますから国民の所得を減らす要因にはなりません。わずかな増税で景気が冷え込むのは、基礎的な消費が著しく弱いからです。

 日本経済の現状を考えると増税するよりはしない方が景気の落ち込みは緩くなると思いますが、増税を回避すれば抜本的な問題が解決されるわけではありません。国民の消費が鈍いのは社会保障など将来の不安が大きいからですが、増税を回避すると、この問題解決がさらに遠のきます。

 景気後退が確実になったわけではありませんが、黄色信号になっているのは間違いありません。景気動向には細心の注意を払う必要があるでしょう。