お金持ちになるために必要な「知力」とは?

お金持ちを科学する 第34回

 「学校の勉強が出来てもお金持ちになれるとは限らない」というセリフはしばしば耳にします。日本は過剰なまでの学歴社会ですから、学校の勉強に関する議論は感情的になりがちです。
 しかしながら、受験勉強が出来たからといってお金持ちになれるわけではないという話は、ある程度までなら本当です。では、お金持ちになるために必要な知力とはどのようなものでしょうか。

知力には3つの種類がある

 筆者は知力には3種類あると考えています。1つめは知識があること、2つめは論理的な思考ができること、そして3つめが複数の論理が理解できることです。経済的に成功するには、3番目の力が極めて重要となってきます。

 この3つはある程度までなら相互に関係していますが、段階があるわけではありません。知識がいくらあっても論理的な思考が苦手な人はたくさんいますし、ひとつの論理については厳密に理解できても、切り口が変わってしまうと、急にあやふやになってしまう人もいます。しかし、他の力が弱くても、3番目の力が突出している人は、かなりの確率で成功できます。

 学校の勉強が出来るということは、1つめの「知識」に依存している可能性が高いと考えてよいでしょう。

 基本的に受験勉強というのは、とにかく数をこなして暗記するのが早道です。数学などであっても、パターンをたくさん覚えれば、かなりの部分まで対応することができます。日本の勉強が暗記中心というのはその通りでしょう。

 ところが、こうした暗記中心の知力は、実際にビジネスや投資をする場面では、ほとんど役に立ちません。教科書通りに物事が進むことは希なので、知識だけではどうしたらよいか分からなくなってしまうからです。ここで役に立つのが論理的な思考回路です。

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相手の論理を理解する力がすべてを決める

 ビジネスの現場で得られる情報は限られたものですから、これをもとに、演繹的にストーリーを組み立て、具体的な行動を決めていくことが重要です。もし想定と異なる結果だった場合には、どこで間違ったのか考察し、戦略を組み立て直します。

 こうした論理的思考ができる人は、知識偏重の人よりも有利な立場に立つことが可能です。

 しかしながら、ビジネスというのは自分だけで完結するものではありません。そこには必ず「相手」が存在しますから、相手が何を考えいるのか理解できなければ有利に事を運ぶのは不可能です。ここで生きてくるのが、3つめの複数の論理を理解する能力です。

 専門家タイプ、学者タイプの人に多いのですが、自分の論理は明晰でも、他人が何を求めているのか、他人はどう考えているのかといった相手側の論理を理解できないという人が大勢います。営業マンでもこうしたタイプは意外と多く、自分が売りたいものをゴリ押ししてしまい、結果的に注文が取れないという状況に陥ります。

 人によっては、理解することはできても、自己愛や自意識が過剰で客観的に受け止められないというケースもあるでしょう。「~すべきだ」という、いわゆる「べき論」がやたらと多い人は、この部類に入ります。
 
 相手の論理が理解できなければ(あるいは客観視できなければ)、市場(マーケット)という集団の論理はさらに理解できなくなります。これではビジネスで勝てるワケがありません。
 3つめの能力が低いと「頭は良いのだけれど仕事ができない」という、いわゆる残念な人になってしまうわけです。

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