災害多発!日本のインフラをどうすべきか(前編)

 立て続けに発生した自然災害によって日本のインフラに大きな被害が出ています。日本経済はかなり弱体化しており、重要なインフラをすべて刷新していくほどの体力はもはや残っていません。今後のインフラ運営はどうあるべきなのか、2回に分けて考えてみたいと思います。

今後も同じような災害があると考えた方がよい

 台風21号による関西国際空港の冠水は多くの人に衝撃を与えました。関空は沖合5キロに埋め立て方式で作られたものですから、建設当初から地盤沈下が最大の課題とされてきました。開港時との比較ですでに3メートルほど沈下しており、現在も年数センチのペースで沈み続けています。

 滑走路の一部と、タキシーウェイ(誘導路)のほぼすべてが冠水してしまった1期島の滑走路部分の標高(RWY06-RWY24L)は現在1.5メートル程度しかありません。地盤沈下に合わせて定期的に護岸を高くする工事を行ったり、不同沈下に備えて建物をジャッキで持ち上げる措置を行ってきましたが、想定以上の高潮が発生したことで、広域が冠水する事態となってしまいました。

 日本の気象は、ここ数年大きく変貌しており、今後も同じような災害が発生する可能性はそれなりに高いと考えられます。関空の地盤沈下は今後も進みますから、場合によっては関空が使えないという事態が発生することについて、ある程度、考慮に入れておく必要があるでしょう。

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既存のインフラを活用しつつ、リスク分散する以外に方法はない?

 関空は建設にあたって、地盤沈下を伴う埋め立て方式ではなく、海上に巨大な浮島を設置する、いわゆるメガフロート方式も検討されましたが、政治的理由も含め、様々な要因から埋め立てが選択されました。

 メガフロートが実現できていれば、今回の被害は発生しなかったもしれませんが、今、このテーマについて議論したところで問題が解決するわけではありません。

 日本経済はすでにかなり弱体化しており、関空のような大規模インフラを次々と作っていく体力はもはや残っていません。

 今後も関西方面のインバウンド需要を維持していくためには、引き続き関空を活用しつつ、非常時にはアクセスを分散できるような体制を構築する以外に方法はないでしょう。
 新規のインフラ建設には頼れませんから、既存のインフラをうまく転用する「知恵」が求められています。