世の中、オイシイ話などないというのは本当か?

お金持ちを科学する 第28回

お金に対する偏見があると、見えるものも見えなくなる

 「世の中にはオイシイ話などない」

 このセリフを耳にしたことがある人は多いと思います。世の中には、そうそうオイシイ話が転がっているわけではないので、このセリフもあながち間違ってはいませんが、絶対に正しいわけでもありません。

 注意深く観察してみると「オイシイ話などない!」というセリフは、ほとんどの場合、儲け話に手を出して失敗した人に対して、これ見よがしに投げかけられていることが分かります。そして、こうした発言をしているのは、たいていの場合、お金に縁がない人たちです。

 つまり、このセリフは、安易な儲け話に手を出した事に対する戒めとしてだけ使われているのではなく、もっと別なメカニズムが働いている可能性があるわけです。

 オイシイ話などないと頑なに主張している人は、たいていの場合、お金に対して偏見を持っています。オイシイ話はないはずなのにお金儲けが出来ているということは、何か悪いことをやっているのではないか?というロジックです。

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合理的な行動を邪魔するもの

 これは実際に大きなお金を稼ぐようになると分かることなのですが、悪徳なビジネスでお金儲けをしている人は確かにいるものの、それは全体からすればごくわずかです。しかも、こうした悪徳ビジネスというのは実は大して儲かりません。本当に大きなお金を儲けようと思ったら、多くの人に喜ばれる製品やサービスを提供した方が圧倒的に有利です。

 また、オイシイ話というのも、希にですが存在します。

 お金儲けが汚いことという価値観が根底にあると、好奇心を持っていろいろな話を聞きに行くという行動を制限してしまい、結果的にこうした果実にありつける確率が低くなってしまいます。

 「オイシイ話はない」という言葉は、実は、誰かが抜け駆けしてお金儲けをしないように相互監視するための機能を果たしていると考えるべきでしょう。つまり、こうしたコミュニティに入ってしまうと、合理的な行動ができなくなってしまうことを意味しています。

 お金持ちの人にはより重要な情報が集まり、さらにお金持ちになっていくという話をよく聞きますが、これは本当です。その理由は、お金持ちの人はお金に偏見がありませんから、上記のような非合理的な振る舞いがなく、行動が制約されないからです。

 つまり、合理的な行動を制約する環境から抜け出すことができれば、お金持ちへの道は意外と近くなるのです。

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