なぜ金利について学ぶ必要があるのか?

加谷珪一の金利教室 第1回

 世の中で金利という概念を知らないという人はほとんどいないはずです。銀行にお金を預ける時や、住宅ローンを検討する時には、多くの人が金利を強く意識していることでしょう。しかし、金利がなぜ存在しているのか、どの水準が妥当なのかと問われてしまうと、多くの人は返答に困ってしまうのではないでしょうか。

株式の投資家にとっても、金利の知識は必須

 金利というのは、分かっているようで分からないことの代表といってよい存在なのですが、実は投資や資産形成の分野において、金利ほど重要な概念はありません。金利について知っている人と、よく知らない人との間には、天と地ほどの差がついてしまいます。それくらい、金利に関する知識は重要なのです。

 株式投資に取り組んでいる人の中には、金利動向についてほとんど関心を払わないという人が大勢います。

 筆者に言わせれば、こうした人たちは非常にもったいないことをしています。金利に関する知識があれば、株式投資の成果は飛躍的に向上する可能性が高く、そのチャンスを自ら失っているのですから。

 筆者は株式投資を中心に、数億円の資産を構築することに成功しましたが、金利に関するしっかりとした知識がなければ、投資で成功することは不可能だったでしょう。デイトレーディングなど超短期的な取引に集中する人を除き、あらゆる投資家にとって金利の分析は重要です。

 この連載では、金利の謎と金利が示す本質的な意味について解説していきます。

 あくまで金利についての基本的な考え方を養うことが目的ですから、金利がどう動いたら、どの銘柄を買う、といった目先の利益に関する事には触れません。しかしながら、一連の記事を読み通ししていただければ、金利というものがいかに重要で、投資のパフォーマンスに影響を与えるものなのか、理解できると思います。

kinrijikan

金利は時間の概念と密接に関係している

 特に長期的な視点に立って株式投資をする人にとっては、株式投資に関する専門知識よりも、金利のほうがむしろ大事なくらいです。長期的なトレンドの変化は、金利を見ていないと絶対に分かりません。

 今後の記事で詳しく解説していきますが、金利は時間と密接に結びついた概念です。金利を知るということは、時間の感覚を知り、時間をうまくコントロールできるということに他なりません。

 また金利はそうであるがゆえに、経済を動かす原動力にもなっています。

 金利は経済の基礎体温などと呼ばれていますが、金利の動きは経済のあらゆる分野に影響を与えます。この先、景気がどうなるのか、経済政策がどの程度効果を発揮するのかなど、経済に関して何らかの予測をする際には、金利の話題を避けて通ることはできません。

 長期的な投資の成否は、投資する市場の経済予測にかかってきますから、結局のところ、すべてを決めるのは金利に対する見立てなのです。