セブン-イレブンはなぜ断トツのナンバーワンなのか

コンビニ経済学 第8回

 コンビニ業界の中でセブン-イレブンの業績は他を圧倒しています。
 業界3位だったファミリーマートと4位だったサークルKサンクスが経営統合し、新生ファミリーマートになったことで、店舗数こそ断トツのトップではなくなりましたが、売上高は依然として他社を圧倒しており、完全に独り勝ちの状況です。

セブンの収益力は突出している

 コンビニはどこも同じように見えますが、コンビニ各店の売上高はまるで異なります。セブンの1店舗あたりの平均売上高は2億3000万円以上もありますが、ファミリーマートは約1億7000万円、ローソンは1億6000万円とセブンの7割程度しかありません。

 セブンの場合、1日あたり平均1057人の来客があり、1人あたり約600円の買い物をしていきます。しかし競合であるローソンの場合、筆者の推定になりますが、1日あたりの来客数は800人程度、1人あたりの金額は550円程度と思われます(これらの金額は設定条件によって変わります)。

 同じコンビニなのになぜこのような差がついているのでしょうか。

 メディアなどではセブンの商品力の良さがその理由として説明されるケースが多いようです。確かにセブンには魅力的な商品が多いのですが、こうした商品力はある程度までなら、他社でも模倣することが可能です。
 また商品力だけで売上高が決まっているのであれば、ある時期はローソンが追い上げたり、セブンが停滞するといった上限変動が生じるはずです。

 しかしながら、来客数や単価の違いは、ずっと前から同じ状況が続いており、ほとんど変化が見られません。つまりセブンと他社の差はかなり構造的なものと考えてよさそうです。

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実は先行者メリットが極めて大きい業界

 セブンの販売力が他社よりも圧倒的に大きいのは、コンビニ業界における先行者だったというのがもっとも大きな理由です。

 セブンは先行者として各地域でもっとも有力なフランチャイズ加盟店を自社に囲い込むことに成功しました。競合がいない段階で出店するわけですから、基礎的な店舗の立地も良好です。
 
 また、第4回でも解説しましたが、セブンをはじめとするコンビニ各社は、近いエリアに収集して出店するドミナント戦略を基本としています。フランチャイズ店の経営に成功した店舗オーナーが近隣に2店舗目を出店するというケースも多いですから、ドミナント戦略もスムーズに進み、これが物流の効率を高めます。

 コンビニの商品は各社でそれほど大きな違いがあるわけではありませんし、顧客がお店に通うという行為は半ば習慣化されています。何か特別な理由がない限り、いつも行っているコンビニから他社に乗り換えるという人は多くないでしょう。
 つまり、一旦、他社が獲得した顧客を奪い返すというのは、並大抵のことではなく、このビジネスは先行者に大きなメリットが出てくるわけです。

 根源的に有利な立ち位置であるにもかかわらず、セブンはそこで慢心することなく、後発企業と同等、もしくはそれ以上の企業努力を続けてきました。結果として、2位以下との差がなかなか埋まらないという状況が続いているのです。

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