TOKIO山口メンバー送検のニュースから考える情報リテラシー

 人気グループ「TOKIO」の山口達也メンバーが書類送検されていたことが明らかとなりました。こうしたスキャンダラスなニュースは、下らない話として聞き流す人も多いかもしれませんが、実は情報リテラシーを高めるよい機会でもあります。今回の事件を少し振り返ってみましょう(情報リテラシーの基本については連載記事「情報リテラシー基礎講座」を見てください)。

事件が発生してから送検までの流れ

 山口メンバーは今年2月、都内の自宅マンションにテレビ番組で共演した女子高生を呼び出し、無理やりキスするなどの行為に及んだとされています。週刊誌の報道では、キスを迫られた女子高生はトイレに駆け込み、スマホで母親に連絡。母親が本人を連れだし、警視庁に被害届けを提出したとのことです。

 被害届けが出されたからといって、警察は必ず捜査するというわけではありませんが、こうした事件であれば、警察は何らかの捜査を行うはずです。その後、検察に書類送検されたわけですから、少なくとも捜査の段階で、ある程度、容疑が固まったことが分かります(日本の警察は自白中心主義ですから、加害者本人が納得しているかは不明ですが、ある程度、容疑を認めた可能性が高いでしょう)。

 その後、山口メンバー(あるいはジャニーズ)と被害者との間で示談が成立したと報道されており、被害者は被害届けを取り下げる手続きを行ったとのことです。
 書類を受け取った検察は、起訴するかどうかを決めなければなりませんが、ここまでの流れが本当であれば、検察は示談が成立したことを理由に、起訴猶予処分とする可能性が高いでしょう(4月26日時点では検察は処分を決定していないようです)。

 重要なのは、この事件がどのような経緯で報道されたのかということです。事件を最初に報じたのはNHKだったというところが、情報リテラシー的にはもっとも大事なポイントになると考えられます。

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NHKには報道しなければならない理由があった?

 送検されたという事実は警察か検察しか知り得ません。NHKの報道では「捜査関係者によりますと」という形で情報源が明示されていました。また、「警視庁は強制わいせつの疑いで書類送検しました」という、警察を主語とする文章でしたから、おそらくは警察からの情報と考えられます。

 しかし、この事件を最初に報じたのはNHK1社ですから、他社はこの情報を掴んでいないか、掴んでいても後から報道したのかのどちらかです。警察がマスコミに捜査情報を提供する場合、主要各社に一斉に実施することがほとんどです。

 となると(ここから先は筆者の推測ですが)、今回の報道は、何らかの事情があってNHKだけが情報を入手したか、あるいはNHKが他社より先に報じる形になったものと考えられます。いずれにせよ、NHKがこのニュースを真っ先に報じなければならない事情があった可能性は高いでしょう。

 おそらくは、被害が発生するきっかけになったのがNHKの番組だったという事実が大きく影響していると考えられます。

 もしこの事件が別の形で世間に知れた場合、NHKに対して組織ぐるみで隠蔽していたという批判が寄せられることは確実です。

 この情報が一般に漏洩する兆しを掴んだNHKは、慌てて警察に取材し、情報のウラを取って送検のニュースを流したと考えるのが自然でしょう。逆に考えれれば、もしこうしたことがなければ、この話は表沙汰にならずに封印されていた可能性も高いわけです。