ホンダジェットが急上昇!なぜうまくいったのか?

 三菱重工が開発を進める日の丸ジェット「MRJ」は、相次ぐ納入延期で厳しい状況が続いていますが、ホンダの航空機事業は大きく飛躍しそうな勢いです。ホンダの航空機事業は何が違うのでしょうか。

航空機は本田宗一郎氏の悲願だった

 ホンダは小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」を製造していますが、2017年の納入機数において、この分野のトップメーカーであるセスナのベストセラー機種を上回りました。

 また、2月に行われた航空ショーではフランス企業から16機というまとまった受注を獲得しています。ホンダはこれまで100機以上を受注していますが、1回の受注機数としては過去最多です。

 ホンダの航空事業参入は、創業者である本田宗一郎氏の悲願でした。構想から半世紀を経た2014年に量産1号機を公開し、着実に受注を重ねて現在に至っています。

 同社が参入したのは、小型ビジネスジェットの分野で、主な顧客はプライベートジェットの運行企業やレンタル会社、あるいは富裕層の個人などです。

 航空機の分野は安全が第一ですから、過去の実績がモノを言う世界です。新規参入は極めて難しいというのが常識ですが、ホンダはイノベーションによってこのカベを打ち破りました。

hondajet

ホンダはイノベーションで後発のデメリットを克服

 一般的なビジネスジェットは、胴体の後部にエンジンを配置しています。一方、大型旅客機は主翼にエンジンを装着するものがほとんどですが、エンジンの場所は主翼の下部に位置しています。主翼上面にエンジンを配置したものは、最近の航空機ではほとんど例がありません。

 主翼上面配置は、胴体後部の支持構造が不要となり、内部スペースを最大化することができます。また、高速飛行時の衝撃波も最小限に抑えることが可能で、燃費効率も上がります。当初は新しいデザインであることから敬遠する声もあったそうですが、実績が積み重なったことで状況が変わってきました。

 後発のメーカーが先行メーカーに追いつくためには、圧倒的な体力差を持っている場合を除き、差別化しか方法はありません。その意味ではホンダは後発メーカーの王道を歩んだということになるでしょう。

 ホンダジェットの価格はカタログ上は490万ドル(約5億2000万円)ですが、今回の契約価格は非公表となっており、採算的には不十分な可能性もあります。しかしながら、航空機は実績がすべてですから、今後の展開を考えれば大きな一歩といえそうです。