2月5日の米国株急落をどう見るか

 米国株が急落しました。先週末(2018年2月4日)のニューヨーク株式市場は2.5%ほど下落していましたが、週明け5日の取引でさらに株価は下落。売りが売りを呼ぶ展開となり、一時は1500ドルほどの下げ幅となりました。最終的には、前週末比1175ドル(4.6%)安の2万4345ドルで取引を終えています。

 久しぶりの急落で、市場には不安心理が広がっていますが、ここは少し落ち着いて様子を見た方がよいでしょう。

 米国株はトランプ大統領の就任が決まってから、一本調子で上がり続けてきました。

 どんなに経済が好調で、上昇相場が継続しても、その途中には必ず下落局面があります。そろそろ調整するのではないかとの予測が高まっていたところに、金利の急上昇という要因が加わり、今回の下落につながりました。短期取引がAI(人口知能)化し、市場の動きが速くなったことも急落に弾みを付けた可能性があります。

 メディアでは「歴史的な下げ幅」といった見出しが躍るのでビックリするかもしれませんが、株価というのは基本的に経済成長に合わせて上昇していくものですので、下げ幅も年々拡大します。

 例えば、1990年代前半のダウ平均株価は4000ドル以下でしたから、4%の下落といっても160ドルに過ぎません。しかし現在のダウ平均株価は24000ドルもあるわけですから、4%下落すると1000ドル近い下落幅になってしまいます。数字の大きさに惑わされてはいけません。

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 マクロ経済的には米国は今後も経済成長が続く見通しです。企業業績も拡大しますから、基本的には株価が上昇する可能性が高いという環境に変化はありません。
 ただ、賃金の上昇ペースが速まるとの予測があり、金利は高めに推移するでしょう。そうなってくると、一部の資金は債券に移動しますから、株価には多少のマイナス要因となります。

 ダウ平均株価はのPER(株価収益率)は下落直前は20倍程度まで上昇していました。バブルになった時期を除くと、この数字は高めですから、多少、期待が先行していた状況であることは否定できません。

 今回の下落でPERは19%台まで下がりました。仮にPERがこのままだった場合、年後半には企業業績が上向きますから、その分だけ株価は上がる可能性もあります。とりあえずは様子を見た方が賢明でしょう。

 5日はFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル新議長の就任初日でしたから、FRBにとっては冷や水となりました。パウエル氏は基本的にイエレン路線を継承する可能性が高いですが、議長の交代前後は市場はナーバスになりがちです。

 米国経済が堅調であることから、FRBは金利の引き上げ回数を増やす可能性もあります。そうなると、金利が急騰する場面も出てくるでしょう。金利の上昇は良好な米国経済を反映したものですから、長期的には問題ありませんが、短期的には、株価は金利に左右されやすい状況が続くと考えられます。

 日本株は米国市場の影響を大きく受けますから、基本的には米国株の動きに連動する可能性が高いでしょう。6日の東京株式市場は米国株に連動して大幅下落となっていますが、米国株と同様、総崩れという状況にはなりにくいと考えられます。