フェイスブックの音解析サービスがもたらすインパクト2

 前回はフェイスブックが、周囲の音を録音し、それを解析するサービスを開始したという話をしました。この動きが広がってくると、スマホを持つ人の周囲に誰がいるのか、あるいはその人がどのような会話をしているのかが、事業者によって把握される可能性が出てきます。

 これが発展してくると、おそらく利用者の行動予測という分野に応用が広がってくる可能性があります。

声からはいろいろな情報が入手できる
 今でもビックデータと呼ばれる大量情報を解析する手段を使えば、ある程度の行動予測は可能です。
 しかしビックデータで扱うことができるのは、あくまでマクロ的な分析のみです。これは、ネット通販でトレーニングウェアを購入した人は、1カ月以内にスポーツ用の時計を購入する確率が高いというような類のものです。

 特定の誰なのかは分かりませんが、スポーツウェアを購入した人を100人あたれば、その何人かは時計を買ってくれるという考え方です。

 しかし、そこに人の声や会話という要素が入ってくると、話は変わってきます。

 実は、声にはいろいろな情報が含まれています。まず何より、会話をしている内容は非常に貴重な情報といえるでしょう。
 さらに 声の調子などからどのような体調なのかを推定することや、精神的にリラックスしているのか、緊張状態にあるのかについても分析することが可能です。人間関係が友好的なのか敵対的なのかも知ることができるようになるでしょう。

 声という生のデータを加えることによって、雲のような存在だった抽象的な個人が、今度は具体的な個人として絞られてくることになります。
 こうすることで、ある分野については、極めて高い精度で行動を予測できるようになるかもしれないのです。例えば、この二人はそろそろケンカをしそうだといった具合に。

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テレビドラマの世界が現実に
 ここから先は推測になりますが、スマホのマイクは、利用者が解析して欲しい音(音楽など)だけでなく、それ以外の様々な音も拾う可能性があります。もしこうした音についても事業者が解析をするということになると、少々恐ろしいことになります。

 拾った音の中には、本人の会話だけでなく、隣のデーブルに座っている人の会話が含まれているかもしれません。これをデータベースにかけて解析すれば事業者はその声が誰なのか特定できることになります。しかもその人の精神状態などもある程度推測することができるわけです。

 こうした情報を多面的に分析をすることができれば、トラブルや犯罪を事前に予知できる可能性が出てくるのです。それ自体はいいことかもしれませんが、いってみれば、それはコンピュータによる監視社会ということにもなりかねません。

 米国の人気ドラマ・シリーズ「パーソン・オブ・インタレスト」では、政府が作った極秘の国民監視システムが犯罪を予知するという設定になっています。
 その情報を秘密裏に入手した二人組が、誰にも知られずに、犯罪阻止に活躍するというストーリーなのですが、ドラマでの設定がほぼ現実のものになろうとしているわけです。