加谷珪一の分かりやすい話

経済評論家 加谷珪一が分かりやすく「お金」、「経済」、「ビジネス」などについて解説します

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米国の動画配信大手が日本上陸。テレビの世界は変わるのか?

 

 米国の動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」が今年の秋に日本に上陸します。日本では、電波利用の規制があるため、地上波のテレビ局が優良なコンテンツを囲い込む状況が続いてきました。ネットフリックスの進出は、こうした状況に変化をもたらすことになるかもしれません。

ネット動画配信の利用は米国ではかなり一般的
 ネットフリックスは、米国を中心に約50カ国で5700万人近くが利用するネット動画配信サービスの最大手です。
 米国では早くからテレビに関する規制緩和が進んでいたこともあり、いわゆる従来型の地上波テレビ局というものはほとんど存在していません。地上波のテレビ局やケーブルテレビ局は、コンテンツを配信する業務に特化しており、コンテンツを制作する会社との分離が進んでいます。

 制作会社はテレビ局のグループ会社となっていることもありますが、自社のネットワークだけに番組を流すわけではないので、機能的には互いに分離されているわけです。

 制作会社はお互いに競争しながら番組を作り、複数の配信会社を通じて利用者に配信しますから、米国ではおびただしい数の番組があります。200チャンネル近い番組の中から好みのものを選択するという方法が一般的なテレビの見方です。

 最近はこうした競争環境にさらに拍車がかかってきました。テレビではなく、インターネットで番組を配信するサービスが急拡大しているからです。

 最大手のネットフリックスは、月9ドル程度の料金でドラマなどが見放題というサービスで大きくシェアを伸ばしました。ケーブルテレビでは、月20ドルから30ドル程度のパッケージが多く、契約すればニュース、ドラマ、バラエティ、映画など、あらゆる番組を見ることができます。

 しかし、若年層はニュースやバラエティ番組をあまり見ません。こうしたケーブルテレビのパッケージより、好きな時に好きなドラマが見られるネットフリックスのようなサービスを好むわけです。

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最終的には日本独自コンテンツにかかっている
 日本では、有力なコンテンツのほとんどは大手テレビ局が制作し、独占的に自社の放送網で配信しています。ネットでの動画サービスはあまり普及していません。

 ネットフリックスのライバル企業であるHuluは一足先に日本に進出していましたが、日本テレビが同社の日本事業を買収しており、現在は同社グループ傘下でサービスを提供しています。会員数は順調に伸びているともいわれますが、存在感は今ひとつという状況です。

 ネットフリックスも同じような状況になる可能性がありますが、同社には、他とは少し異なった特徴があります。それは米国において、ソニーやパナソニックといった大手電機メーカーとの提携関係が出来ていることです。

 米国では、あらかじめネットフリックスへの接続機能を備えたテレビが多数販売されています。日本でもネットフリックスの進出に合わせて、ソニーやパナソニックが対応テレビを発売する予定です。大手電機メーカーの製品に、あらかじめ機能が搭載されているとなると、利用者の反応はかなり違ったものになるでしょう。

 もっとも、最終的にサービスが普及するのかどうかは、コンテンツにかかっています。当初は海外ドラマが中心になると思われますが、海外ドラマだけでは、特定の視聴者層の開拓だけで終わってしまいます。マス層に普及させるためには、やはり日本独自のコンテンツが必要となるでしょう。

 ネットフリックスは、米国では独自コンテンツの制作にも乗り出しています。大手テレビ局が寡占状態にある日本のコンテンツ市場の中で、どれだけ、独自コンテンツを確保することができるのか、関係者は注目しています。

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