加谷珪一の分かりやすい話

経済評論家 加谷珪一が分かりやすく「お金」、「経済」、「ビジネス」などについて解説します

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温暖化対策についての会合「COP20」では何が話し合われているのか?

 

 地球温暖化対策について話し合う国連の会議「COP20」が、南米ペルーで12月2日から開催されています。今回の会合には、最大の排出国である米国と中国が積極的であることから、大きな成果が期待されています。
 一方、日本は原発事故の影響で、エネルギー構成の比率を決めることができない状態にあります。このため、今回の会議で日本は、リーダーシップを発揮しにくい状況に置かれています。

今回の議題は京都議定書の次の枠組み
 COPの会議において温暖化対策が議論されていることは耳にすると思いますが、具体的に何が話し合われているのかについては、よく知らないというのが実情ではないでしょうか。

 COPは、1992年の地球サミットで採択された「気候変動枠組条約」に基づいて開かれる国際会議のことを指します。COPは、95年の第1回会合以来、毎年開催されているのですが、今年は20年目の会合なので、COP20と呼ばれるわけです。

 これまでの会合でもっとも大きな注目を集めたのが、97年に京都で開催されたCOP3です。COP3では、2012年までの具体的な温室効果ガス排出削減目標を示した「京都議定書」が採択されました。しかし、途上国の排出削減目標が設定されていないことなどに不満を示した米国が離脱してしまい、枠組みは中途半端な形で構築されることになってしまいました。

 米国のホンネは、世界最大の石油消費国として、石油消費を削減することで、経済成長を犠牲にしたくないという部分にあります。途上国における目標設定の有無は、おそらく大した問題ではないでしょう。
 自分に不利だと分かると脱退してしまった米国に対しては、身勝手な振る舞いだと批判が集まりましたが、こうした国際交渉の場は、基本的に汚い駆け引きが当たり前のように行われる世界です。

 温暖化対策の問題は、米国と経済面で差を付けられるばかりの欧州が、一種の飛び道具として持ち出してきている部分があり、どっちもどっちです。結果論ではありますが、結局、日本も同じような振る舞いをしています。

 京都議定書は2013年から2020年まで8年間の延長が決定されたのですが、日本は、原発事故の影響で、火力発電所の稼働が増え、削減目標達成が不可能となってしまいました。このため、当初は積極的だった京都議定書からは、事実上脱退しています。国際交渉とは、所詮そのようなものであるというドライな割り切りが重要でしょう。

cop20

今回は米国と中国がその気になっている
 今回のCOP20の主な議題は、実質的に機能していない京都議定書に変わる新しい枠組みについて議論することです。今回の会合には高い期待が寄せられているのですが、その理由は、世界最大の排出国である米国と中国が非常に前向きに取り組んでいるからです。

 米中両国は、11月に行われたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)において首脳会談を行い、温暖化対策で合意に至ったと大々的に発表しました。オバマ大統領は「2025年までに05年との比較で26%~28%削減」、習近平国家主席は「2030年頃までに排出量をピークにする」という方針をそれぞれ表明しています。

 米国と中国が参加した理由ははっきりしています。米国はシェールガスの開発が進み、これまでのように原油を大量に輸入する必要がなくなりました。温室効果ガスの排出量を削減できる見込みが出てきたことから、急にCOPに対して積極的になってきたわけです。

 中国は、景気の失速で石油の消費量が思いのほか増えない見通しとなってきました。中国は大国として、世界の問題解決にリーダーシップを発揮したいという願望を持っていますから、今回が大きなチャンスと考えた可能性は高いでしょう。

 一方、日本は、最終的なエネルギー源の構成比率がまだ決まっていないため、具体的な目標を打ち出すことができない状況にあります。COPでは日本の消極性を批判する声も上がっており、今回の会合はかなり不利な状況です。

 米国と中国が積極的であることから、今回の枠組みは重要な位置付けとなる可能性が高くなってきました。日本だけが不利な条件となることは避けたいところですが、果たしてどうなるでしょうか?

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