つい数年前まで存在すら知られていなかったユーチューバーが、子どもの憧れの職業のひとつになっているというのはよく耳にする話です。しかしながら、男子と女子ではその傾向にかなりの違いがあるようです。
女の子はユーチューバーが嫌い?
学研教育総合研究所が小学生に対して行ったアンケート調査によると、将来、就きたい職業で1位となったのはパティシエで、2位はプロサッカー選手、3位はユーチューバーでした。前年の調査では、1位がパティシエ、2位がプロサッカー選手、3位が医師でしたから、ユーチューバーが順位を上げました。
ユーチューバーは2016年の調査では回答が存在していませんでしたから、ここ2~3年で急速に台頭してきたことが分かります。
もっとも、子どもがなりたい職業というのは男子と女子で大きく分かれるものです。
男女別の調査では、男子の1位はプロサッカー選手で、ユーチューバーは何と2位にランクインしています。一方、女子の1位はパティシエで、2位は看護師、3位は保育士・幼稚園教諭となっており、ユーチューバーは17位にしかなっていません。
では、女の子にとってユーチューバーに魅力がないのはどうしてなのでしょうか。
一般的に女子は早熟で現実的だと言われますが、女子のランキングにも「歌手・アイドル」が比較的に高い順位で顔を出しますから、非現実的であることが理由ではなさそうです。
お笑いのコンテンツはネット化しやすい?
最近はテレビの影響力が低下していますが、それでもテレビは日本人にとって最大のメディアです。特に女子のアイドルということになると、インターネットよりもテレビの方が華やかですから、多くの女の子はテレビの向こうの芸能人に憧れていると思われます。
一方、男子の場合にはアイドルよりもお笑い芸人に憧れる人が多いという特長がありますが、この分野はユーチューブをはじめとするネットメディアが健闘しています。今、人気のユーチューバーもカテゴライズすれば、多くがお笑いに分類されるでしょう。
男子はお笑い好きということに加え、コンピュータとの親和性が高いことなどから、ユーチューバーに注目が集まっているものと思われます。
もし、テレビからネットへのシフトがさらに進めば、女子でもユーチューバーがランクインする可能性もありますが、一方で、華やかな世界は相変わらずテレビのような従来型メディアが競争力を維持すことも考えられます。
少なくとも現段階では、テレビからネットへのシフトというのは、お笑いコンテンツが中心となっており、主な視聴者は男の子と考えてよさそうです。