米ボーイング社の最新鋭小型旅客機ボーイング737MAX8型機の墜落事故が相次いだことで、各国の航空当局は運行停止の措置を決定しています。ボーイング737シリーズは長年売れて続けているベストセラー機ですが、なぜこのような事故が起こっているのでしょうか。
ボーイング737は歴史のあるベストセラー機だが・・
2019年3月10日、エチオピア航空302便がエチオピアの首都アディスアベバの郊外で墜落し、乗客乗員157人全員の死亡が確認されました。昨年10月にもインドネシアのライオン航空610便が、ジャカルタを離陸直後に墜落しており、乗客乗員189人が死亡しています。
半年の間に同型機の事故連続して発生したことから、欧州航空安全機関はEU域内におけるボーイング737MAX8型機およびMAX9型機の運航を一時停止すると発表。中国の航空当局も、各航空会社に対して737MAXの運航停止を求めたと報道されています。
当初、米国の航空当局であるFAA(米連邦航空局)は運行停止の措置は実施しない方針でしたが、トランプ大統領が大統領令を発したことで運航停止を決定しました。米欧中という主要3カ国の航空当局が運航停止を決定したことで、事実上、同型機は一時的に空を飛ぶことができなくなりました。
ボーイング737シリーズは、累計で1万機が生産された大ベストセラー機で、非常に信頼性の高い機体として知られていますが、今回、事故を起こしたMAXシリーズは、低燃費の最新型機で大幅な改良が加えられたモデルです。
ソフトウェアのアップデートだけで対応できるのか?
事故の詳しい原因は不明ですが、2つの事故には離陸直後に時間に墜落しているという共通点があります。
飛行機事故のほとんどは離陸直後や着陸時に集中しているので、それ自体は珍しいことではありませんが、機体の迎え角を制御するシステムに何らかの不具合があったとの情報があり、ボーイングでは事故を受けて同型機の飛行管理ソフトウェアをアップデートするとしています。
また一部の報道では、MAXシリーズが最新鋭の低燃費エンジンを搭載するため、エンジンの取り付け方法を変更し、重心が変化していたとの指摘も出ています。
詳細は不明ですから、現時点では何とも言えませんが、もし機体に問題があるのだとすると、ソフトのアップデートだけでは解決しない可能性もありますから、解決には時間がかかるかもしれません。
ボーイング737は同社にとってまさにドル箱であり、全世界で小型機への需要が高まっている状況でしたから、今回の事故は同社の経営にとって大きな痛手となっています。とにかく航空機は安全が第一ですから、真相究明と完璧な対策が求められているのは言うまでもありません。