経済評論家 加谷珪一が分かりやすく経済について解説します

  1. 投資

複利のマジックを活用しない手はない

加谷珪一の金利教室 第4回

 金利が持つ時間的な面をフル活用したのが、いわゆる複利効果を狙った投資です。金利が時間の対価ということであれば、時間をかけて投資する人は、その時間分だけ利益を得られます。
 個人投資家の世界では、長期投資のメリットが主張されることがしばしばありますが、複利効果は長期投資の醍醐味といってよいでしょう。

時間が経つほど効いてくる

 複利効果は時間が経てば経つほどその効果が大きくなります。例えば、100円を5%の利回りで運用すると、1年後には105円になっています。ここで得られた5円をそのまま再投資に回せば、次の年には105円の5%、つまり110.25円になります。これを長期にわたって繰り返すと、想像をはるかに超える金額に膨れ上がります。

 このケースでは10年間、再投資を続けると資産は約1.6倍に、20年続けると2.7倍にもなります。

 複利の投資でどのくらい資産が増えるのかについては、7%の金利で10年という期間を目安にするとよいでしょう。これは多くの金融マンが日常的に活用している方法でもあります。

 7%の金利で10年間、複利運用すると資産規模は約2倍となります。逆に、10%の金利で7年間の運用でも約2倍となりますから、とにかく7%で10年間、もしくは10%で7年間運用すると2倍に増えると覚えておけばよいのです。これに加えて5%の場合には14年間で2倍と暗記しておけばさらによいでしょう。

 これらの感覚が理解できていると、何%の運用でどの程度の利益になるのか、計算機を使わなくても、おおよその数字を推定できるようになります。こうした感覚は投資を続けるにあたってとても重要なことです。

 例えば、3.5%で10年間の運用ということになると、7%で10年間の投資した場合の半分以下のはずなので、1.5倍程度ではないかと推測できます(実際は1.41倍)。5%で期間が20年ということになると、2倍よりも大きく3倍よりも小さいと想像できるでしょう(実際は2.65倍)。

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積立型の投資との相性は抜群

 現実の投資においては、まとまった金額を一気に投じるよりも、毎年一定金額ずつ投資を積み上げていくケースが多いと考えられます。

 例えば毎年100万円を30年間積み立てるケースを考えてみよう。

 毎年100万円で30年間の貯金なので、何もしなければ30年後には3000万円になっているはずです。3000万円はそれなりの金額ですが、あくまで貯金なので大きく増やすことはできません。

 しかし、毎年投資した100万円が3%で運用され、運用益がすべて再投資に回されたと仮定すると、30年後の資産はどのくらいになっているのでしょうか。さすがにこれは感覚的に求めることができないのでエクセルで計算してみると4900万円になっています。

 何もしない場合と比べて1.6倍ですが、金額が金額なので両者の差は極めて大きくなります。資産家の多くはこうした複利の効果をフル活用しています。時間が経過すればするほど、知らず知らずのうちに資産が増えてくるというのは、あながちウソではないのです。

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