経済評論家 加谷珪一が分かりやすく経済について解説します

加谷珪一の投資教室 第1回

 株式投資の世界には、数多くの投資理論や投資手法が存在しています。数学を駆使したかなり高度に見えるようなものから、過去の経験則やジンクス的なものまで、その中身は多種多様といってよいでしょう。

 多くの人は、投資で勝ちたくて、こうした理論を学ぶわけですが、残念なことに、これらの理論を学んだだけで投資で勝てるようにはなりません。
 しかし、投資理論を知らないと投資で負ける確率はかなり高まります。投資理論は、勝つための絶対的手法というより、負けないための手法といった方がよいかもしれません。






 少しがっかりした人もいるかもしれませんが、投資の世界で負けないということは、実は極めて重要なことです。これは大きな資産を持つようになって初めて分かることですから、最初のうちはピンとこなくても、騙された思って受け入れてください。負けないで投資を続けていれば、資産が増える確率はずっと高まるはずです。

 投資の基本的な理論として絶対に知っておいて欲しいのは、以下の3つです。

・マクロ経済学
・ファンダメンタル分析
・テクニカル分析

 マクロ経済は、株式投資とは縁遠いような印象があるかもしれませんが、そうではありません。株価が経済活動の集大成である以上、どのようなメカニズムで経済が動いているのかを知らなければ、ただのカンで投資をすることと同じになってしまいます。その意味でマクロ経済は、あらゆる投資の基礎となるべき理論といってよいでしょう。






 

 ファンダメンタル分析は、マクロ経済的な考え方を個別の企業に落とし込んだものです。具体的には財務諸表の数字から理論的な株価を割り出し、それに沿って投資の是非を判断します。
 一方、テクニカル分析は、株価の動きなど、過去の経験則を中心にした理論です。テクニカル分析を軽視する投資家も多いのですが、投資が人々心理に大きく左右されるという現実を考えると、避けて通ることはできません。

 有能な投資家は、この3つの考え方を、うまく使い分けながら、状況の分析と判断を行っているはずです。

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