加谷珪一の分かりやすい話

経済評論家 加谷珪一が分かりやすく「お金」、「経済」、「ビジネス」などについて解説します

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日本人は世界からどう見られているのか把握するのが苦手?

 

 ビジネスの世界で成功するためには、相手の立場で物事を考えるということが非常に重要です。
  相手の立場に立つというのは、相手の利益になるように行動するという意味ではありません。相手が自分だったらどう考えるのかを常に意識し、相手に対して先手を打つという意味です。

ビジネスで成功するためには
 例えば営業という仕事を考えてみましょう。自分が営業された時に嫌だと思うようなことを、自分が営業する相手には平気で行う人がいます。

 例えば、何か問題が発生した時に「私は悪くありません」とエラそうに対応する営業マンがいたら誰もが嫌な感情を持つでしょう。しかし、いざ自分が責められる側に立つと、お客さんに対して、そのような態度を取る人は意外と多いのです。

 ここまでひどくなくても、相手から自分がどう見られているのかを考えない人は案外大勢います。
 これでは相手が求めるものを提供したり、逆に相手が嫌がるものを交渉材料に出すことができず、ビジネスで主導権を握れません。相手の立場でものごとを考えるというのは、非常に大事なことなのです。

 これは個人の話にとどまらず、企業全体や国家全体にもあてはまることです。

 その点でいくと、日本はあまり他国からどう見られているのかを考えない国です。この話に対しては「そんなことはない」という意見が聞こえてきそうですが、現実はそうでもありません。
 日本人は、自分では意識していませんが、世界でどう見られているのかを知り、それに合わせて、合理的に振る舞うということが苦手なのです。

 一例をあげてみましょう。内閣府が日本を含む諸外国の若年層に対して行った意識調査によると、日本が平和友好的な国であると回答した人は、日本人では35%でした。しかし、外国人で日本のことを平和友好的と考える人の割合は日本人よりもはるかに少なくなっています。

 日本の同盟国である米国ですら22%となっており、ドイツは20%、フランスは17%、スウェーデンは7%でした。日本には平和ボケという言葉もあり、日本人はいい意味でも悪い意味でも、平和を満喫していると感じていますが、諸外国はそうみていないわけです。

 これは若年層に対する調査ですから、昔のイメージはほとんど関係ないと考えられます。いわゆる左翼的な人たちが言うところの「日本はかつて侵略戦争を行ったので平和的な国ではない」という論理はあてはまらないでしょう。

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客観的事実から自身を判断する
 このイメージがなぜ出来上がっているのかは、先入観を持つことなく、相手の立場になって現状を冷静に分析すれば分かることです。

 日本は中国に抜かれたとはいえ世界3位の経済大国であり、世界で5番目に軍事費が多い国です。軍事費の支出ランキングで日本より上位にあるのは、米国、中国、ロシア、英国で、日本以外はすべて核保有国です。

 しかも日本は世界最大の軍事大国である米国と日米安全保障条約という強固な軍事同盟を結んでいます。
 しかも日本国内には、多数の米軍基地があり、世界最強といわれる米第七艦隊の原子力空母が横須賀に常駐しています。また自衛隊が保有する艦隊の能力は中国やロシアを上回っているというのが現実です。

 さらにいえば、日本は、世界2位の軍事大国である中国と尖閣諸島をめぐる争いを起こしており、世界3位の軍事大国であるロシアとは、北方領土問題で対立しています。

 これは日本の侵略戦争が云々という文脈以前に、客観的に見て、平和を愛する国民には映らないことが分かります。

 日本国内では、日本は友好的な国なのに、日本だけが批判されているという感情があります。また各種外交交渉においても、日本は無理難題を押し付けられてばかりというイメージを持っている人も多いでしょう。

 一部ではそうしたことは事実かもしれませんが、それはものごとの一面にしかすぎません。日本は好むと好まざるとに関わらず、世界からは軍事大国とみられており、相応の説明責任が求められています。日本人は、これを前提に行動しなければなりません。

 これが、まさに相手の立場に立って行動するという考え方であり、こうすることが日本の利益を最大化するのです。

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