外貨預金は実はとても難しい商品

知っているようで知らない外貨投資の話 第5回

 私たち個人にとって最も身近な外貨建ての商品はやはり外貨預金でしょう。普段利用している銀行で取り扱っていますし、「預金」なので安全性が高いというイメージもあります。

 また、今日本は超低金利で日本円で貯金をしても金利はほとんどつきませんが、米ドル預金を中心とした外貨預金は円預金よりも金利が高いですから、投資商品としても魅力的かもしれません。

 しかし、外貨預金をする際には少し注意が必要です。以下のQ&Aで外貨預金の基本を確認してみてください。

問1
外貨預金は、日本円ベースで元本と金利が保証される商品である。
(答え ×)

 外貨預金は、円預金と同じように元本と金利が保証される商品ですが、あくまでも外貨ベースであり円ベースではありません。

 円に戻したときの為替レートによっては、円ベースでは元本割れしてしまうこともあります。したがって問1の答えは×です。当然ですが、為替レート次第では逆に利益が出ることもあります。

問2
外貨預金は円安になれば為替差益が出て必ず得をする。逆に円高になると為替差損が出て必ず損をしてしまう。

(答え ×)

 外貨預金における損得は、為替相場だけで決まるわけではありません。最終的な損益を見極めるには、金利と為替手数料についても考慮に入れる必要があります。

 したがって、円安になって為替差益が出れば必ず得をするというわけではありませんし、逆に円高になると必ず損をするわけでもありません。最終的な損得は金利と手数料も合わせて計算しないと分からないのです。したがって問2の答えは×ということになります。

gaikayokin

外貨預金をする前には金利と為替手数料を含めたシミュレーションを

 先ほど、外貨預金における損得は、為替だけでは決まらないという話をしました。

 外貨預金には商品ごとに設定された金利があります。金利についてはあらかじめ保証されていますから、金利分については必ず得をするといえます。為替レートによって円ベースでの金額が多少変わってくるだけです。

 もし為替が円安となり元本も増えた場合には、金利と元本の両方を手にすることができますが、元本が円高で減少した場合には、この損失分を金利から差し引かなければなりません。金利の方が額が大きければ利益になりますが、為替の損失が金利を上回るとマイナスになります。

 損益の計算はこれだけでありません。金利に加えて為替手数料を考慮する必要もあります。

 外貨を円に換えるときには、銀行に為替手数料を払う必要がありますから、この分をさらに差し引かなければなりません(為替の手数料については過去記事「表示される為替レートに幅があるのはなぜ?」を参照してください)。

 円安の場合には為替差益が出ますから金利分プラス為替差益で必ず得をするように思えますが、それ以上に為替手数料が高ければやはり損失になってしまいます。

 外貨預金は預金というポピュラーな商品なので、気軽に利用できるイメージがありますが、実はかなり難しい商品であることがお分かりいただけると思います。さらに言えば、金利にも様々な落とし穴があります。金利のマジックについては次回に解説したいと思います。

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