加谷珪一の分かりやすい話

経済評論家 加谷珪一が分かりやすく「お金」、「経済」、「ビジネス」などについて解説します

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日本でも女性社長が増加しているが・・・

 

 安倍政権では成長戦略として女性の活用を掲げています。これが具体的な成果になるのはまだ先かもしれませんが、世の中では、すでに女性社長の割合が年々上昇してきています。

女性社長は増えているが女性起業家は減少している
 帝国データバンクの調査によると、女性社長の比率がここ数年、目立って上昇しています。1990年には女性社長は全体の4.5%でしたが、2013年は7.3%になりました。特に2010年頃から増加のスピードが上昇しています。

 女性がどんどん活躍する社会になっているわけですが、一方では逆のデータもあります。女性の起業家が減少しているのです。

 中小企業庁によると、1979年に起業した人の4割が女性でしたが、現在では3割となっています。では現在は誰が起業しているのかというとシニアの男性です。

 1979年に起業した人の6割が40歳以下でしたが、2012年では35%まで減少しました。一方、起業した人中で最も割合が高いのは60歳以上です。今、起業の主役となっているのは完全に高齢者層といってよいでしょう。

 高齢のシニアに起業が多いのは、資金面や人脈の影響が大きいといわれています。現在の日本社会はかなり新陳代謝が悪くなっており、お金やコネのない若者が勢いだけで起業するというのは、かなりのリスクを伴います。

 シニア層はそれなりに貯蓄もありますし、65歳以上になれば、年金も受給できますから、仮に失敗してもそれほど大きな影響を受けません。資金面で余裕があり、人脈もあるシニア層が、起業しているという状況と考えられます。

 女性の起業家が減り、シニア層の起業が増えているわけですから、この世界では、高齢男性が圧倒的に有利というわけです。シニア男性が元気なのはよいことですが、社会全体としては、活力が失われているようにも見えます。

 joseishacho

女性社長増加は均等法の影響?
 女性社長の割合が増えているのは、大手企業や中堅企業の関連会社などでトップに就任する女性が増えていることと関係している可能性があります。

 男女雇用機会均等法の施行は1986年ですから、第一期生の女性は大卒の場合、だいたい50歳くらいになっています。関連会社のトップマネジメントに就任する人が出てきてもよい年齢です。ニュースなどで聞く女性登用事例の多くがこの年齢層です。

 サラリーマン社会では、着実に女性の登用が進んでいるわけですが、均等法第1世代が次々に社長になっているということは、ウラを返せば、日本企業は今でも完全に年功序列であるということを意味しています。つまり思ったほど、社会全体の柔軟性や多様性が向上していない可能性もあるわけです。

 もしそうだとすると、女性の起業家が減っているという事実とも整合性が取れます。

 多様な人材が登用されれば、企業のビジネスチャンスが増えることは経験則的によく知られた事実です。女性社長の割合が上がることは、最終的には企業の業績にプラスの効果をもたらす可能性が高いでしょう。

 一方で、こうした登用が、大企業を中心としたサラリーマン社会だけにとどまっていては、経済全体として、その効果は半減してしまいます。

 起業そのものが増え、新しいビジネスの世界においても女性が活躍できるようにならないと、本当の意味で経済を活性化することにはならないでしょう。

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