加谷珪一の分かりやすい話

経済評論家 加谷珪一が分かりやすく「お金」、「経済」、「ビジネス」などについて解説します

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フェイスブックの音解析サービスがもたらすインパクト

 

 SNS大手のフェイスブックは2014年5月21日、スマホのマイクを使って周囲の音を収集し、それを解析するサービスを開始すると発表しました。

 新しいサービスでは、利用者がスマホのマイクを利用して、音楽やテレビ番組など周囲の音を収集すると、その音が解析され、その曲が何であるのかなどが瞬時に分かるそうです。

 音楽を聴いていて「この曲何だったっけ?」というのは多くの人が経験していると思います。このサービスを使えば、鳴っている音楽にスマホをかざすだけで、曲名やアーティスト名が瞬時に検索できますし、それを周囲の人とシェアすることができるわけです。

 メロディの解析機能はすでに提供されているものですので、それ自体が特に目新しいものではありません。しかし、今回発表されたサービスは、かなり本格的なものであり、今後のネット社会のあり方に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。

 その理由は、このサービスには、潜在的にスマホが盗聴器に早変わりしてしまう可能性が秘められているからです。

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社会の音が広範囲に利用される時代に

 このサービスでは、一曲をまるまるスマホに聞かせる必要はありません。ある部分だけを聞かせても、その部分を頼りに、フェイスブックが保有する音源データベースと照合し、どの曲かを調べ出すわけです。この技術は当然、一般的な音声にも応用することができます。

 つまりスマホで拾った声は誰がしゃべっているのか、見つけ出すことが可能となるのです。

 検索キーワードの入力に音声を使うサービスはもはや一般的になっています。スマホに向かってしゃべったことがない人の方がもはや少ないかもしれません。
 こうした音声データはデータベース化が可能なものですから、スマホの利用者情報と合わせれば誰がどんな声をしているのか把握することができるわけです。

 この音声データベースと今回のサービス、そして音声認識技術が組み合わさると、いつ誰が、どこで、どんな会話をしたのか、ある程度特定できるようになってきます。

 もちろんフェイスブックでは勝手にマイクのスイッチをオンにすることはせず、希望した利用者だけがマイクを利用するとしています。また得られた音のデータは蓄積しないとも説明しています。

 しかし欧米メディアの一部では、フェイスブック関係者が音声データの蓄積を認めたという報道もあり、真偽の程は定かではありません。フェイスブックがどのような方針を持っているのかということよりも、こうしたことが可能になるインフラが整ったという事実の方が重要です。

 これからは、何らかの形で、公共の音声が収録され、それが人物特定につながっていく流れとなるでしょう。これはビジネスにおいて多大なメリットをもたらしますが、当然のことながらプライバシーの侵害や権力による濫用というやっかいな問題を引き起こします。

 次回はこのあたりについてもう少し考えてみたいと思います。

 - テクノロジー, トピックス, 社会

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